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2009-09-20

トイガン用パワーソースのガスについてのメモ

前回に引き続き、個人的覚え書きというか、ガスの物性についてのリンク集というか。

HFC134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)

現在の主流パワーソースです。

日本フルオロカーボン協会が作成したMSDS(化学物質等安全データシート)によると、非腐食性、非引火性の液化ガスで、吸入毒性はきわめて低いとされています。一方、温暖化係数は1,300(IPCC第4次報告では1,430)と非常に大きな値であることから、エアダスター等では温暖化係数が約1/10のHFC152aを使用する製品が多くなっています(HFC152aについては後述します) 。アクリル樹脂やウレタンゴム、フッ素ゴムへの影響が大きくなっています。

沸点 -26.18℃
融点 -101℃
蒸気圧 0.666MPa(MSDS、25℃)、630kPa(ICSC、25℃)、0.48MPa(大洋液化ガス、20℃)、0.78MPa(大洋液化ガス、35℃)
温暖化係数 1,300(IPCC SAR)、1,430(IPCC第4次)

HFC152a(1,1-ジフルオロエタン)

前述のとおり、エアダスターではメジャーとなっています。トイガン用としても使われていますが、こちらはHFC134aやCO2を混合することで特性をHFC134aに近くした製品が主流のようです。

MSDSでは非腐食性、可燃性の液化ガスで、吸入毒性はきわめて低いとされています。空気よりも重いことから、空気中に放出した場合、混合気は地表や床を這うように動きます。アクリル樹脂やABS樹脂、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムへの影響が大きくなっています。

J-Armory製のガスガンにはエアダスターのHFC152aを使えるようにするアダプターが付属しています。

沸点 -24.95℃
融点 -117℃
蒸気圧 0.596MPa(ICSC、25℃)、0.41MPa(大洋液化ガス、20℃)、0.70MPa(大洋液化ガス、35℃)
温暖化係数 140(IPCC SAR)、124(IPCC第4次)

R22(クロロジフルオロメタン、HCFC22)

昔のトイガンで主流だったガスです。

MSDSでは非腐食性、非引火性の液化ガスで、吸入毒性はきわめて低いとされています。発火性はあり、632℃で発火します。温暖化係数はHFC134aを上回るほか、オゾン層破壊物質として規制の対象になっています。プラスチックへの影響は小さいですが、比較的多くの種類のゴムに対して影響を与えます。

沸点 -40.75℃
融点 -160℃(MSDS)、-146℃(ICSC)
蒸気圧 1.044MPa(MSDS、25℃)、908kPa(ICSC、20℃)
温暖化係数 1,500(IPCC SAR)、1,810(IPCC第4次)

CO2(二酸化炭素、炭酸ガス)

トイガン用としては単体で使われることは少ないガスですが、前述のとおりHFC152aと混合するなどした製品があります。

不燃性のガスです。温暖化係数は二酸化炭素を1として算出されています。

沸点 -79℃(昇華)
融点
蒸気圧 5720kPa(20℃)
温暖化係数 1

プロパン

これもトイガン用として使われることは少ないようですが、ヘアスプレーや殺虫剤などでは一般的です。液化石油ガス(LPG)の主成分ですね。

引火性がきわめて高く、爆発する危険もあります。

沸点 -42℃
融点 -189.7℃
蒸気圧 840kPa(ICSC、20℃)、0.75MPa(大洋液化ガス、20℃)、1.13MPa(大洋液化ガス、35℃)
温暖化係数 3.3

ジメチルエーテル(DME)

最近エアダスター用として使われるようになってきました。低環境負荷であることから、燃料用途としても注目されています。

引火性が極めて高く、爆発する危険もあります。

沸点 -24.8℃
融点 -138.5℃(安全衛生情報センター)、-141.5℃(三菱ガス化学)
蒸気圧 593kPa(安全衛生情報センター、25℃)、0.41MPa(三菱ガス化学、20℃)、0.69MPa(大洋液化ガス、35℃)
温暖化係数 0.2

ヨウ化トリフルオロメタン(CF3I)

温暖化係数の低いガスとして、エッチングや消火剤としての普及が期待されている物質です。エアダスター等の噴射剤としての利用についても研究が行われていますが、高濃度で心臓への影響や遺伝毒性が疑われていることから、事業用途向けに限定することが望ましいとされています。

不燃性で、化学的にも安定です。

沸点 -22.5℃
融点 -110℃
蒸気圧 0.427MPa(20℃)
温暖化係数 0.4

ここまでまとめたところで

大洋液化ガスのホームページに一覧があるのを発見してしまいました。でもヨウ化トリフルオロメタンはないからがんばった意味はあったと思いたいです。

蒸気圧曲線を見ると、プロパンとR22が比較的近く(プロパンがやや低い)、HFC152aとジメチルエーテルはトイガン用として使用されることの多い温度範囲ではほぼ同等のようですね。

将来的には温暖化係数の高いHFC134aやHFC152aは使えなくなると考えられますが、トイガン用として代替になりそうなものというと、可燃性のジメチルエーテルか毒性に若干の懸念があるヨウ化トリフルオロメタンか、それとも他にもっとよいガスがあるのでしょうか。

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