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2011-01-07

実銃用アクセサリの個人輸入ではまる?

別件で検索していたら偶然発見した以下のエントリーで、なぜかMAGPUL PTSのAFG(Angled Fore Grip)までNGで滅却同意書を書かされたという話が。

気になって調べてみると、Cabela's カベラスジャパンサービスデスク - 銃の関連商品の輸入についてというページがあった。こちらの記述によると、滅却処分をするには5,000円かかる場合があり、積戻し輸出許可を受けて返品することも可能。でもミリブロのほうでは滅却同意書を出すよりどうしようもなかった様子。

法律ではどうなっているのか

ものすごく簡潔にまとめると、トイガン趣味の範疇では実銃用アクセサリの個人輸入はできない。「外国から到着した郵便物の税関手続のお知らせ」について 銃砲類・銃部品等 : 東京税関 Tokyo Customsに簡単にまとめられているが、せっかくいろいろ調べたので書き残しておこう。

関税法第69条の11第1項第2号では「けん銃、小銃、機関銃及び砲並びにこれらの銃砲弾並びにけん銃部品」、銃砲刀剣類所持等取締法第3条の4第3条の5第3条の6では「けん銃、小銃、機関銃又は砲」「けん銃部品」「けん銃実包」を輸入してはならないと規定。これに該当しなければOK……なんて思ったら大間違いなのが法律の恐ろしいところだ。

外国為替及び外国貿易法第52条輸入貿易管理令第3条第1項第4条第1項に基づいて定められている、輸入割当てを受けるべき貨物の品目、輸入の承認を受けるべき貨物の原産地又は船積地域その他貨物の輸入について必要な事項の公表(H22・8・16改正内容)で「2の2号承認」が必要な貨物として以下のものが示されている。

  • 第93.01項:軍用の武器(けん銃及び第93.07項の武器を除く。)
  • 第93.02項:けん銃(第93.03項又は第93.04項のものを除く。)
  • 第93.03項:その他の火器及びこれに類する器具で発射火薬により作動するもの(例えば、スポーツ用の散弾銃及びライフル、口装の火器、ベリー氏式けん銃その他の信号せん光筒発射用に設計した器具、空包用けん銃、ボルト式無痛と殺銃並びに索発射銃)
  • 第93.04項:その他の武器(例えば、スプリング銃、空気銃、ガス銃及びこん棒。第93.07項の物品を除く。)
  • 第93.05項:第93.01項から第93.04項までの物品の部分品及び附属品(関税率表第9305.99号であって、プラスチック製、ゴム製、革製、コンポジションレザー製又は紡織用繊維製のものを除く。)
  • 第93.06項:爆弾、手りゅう弾、魚雷、機雷、ミサイルその他これらに類する物品及びこれらの部分品並びに弾薬筒その他の銃砲弾及び発射体並びにこれらの部分品(散弾及びカートリッジワッドを含む。)
  • 第93.07項:刀、剣、やりその他これらに類する武器並びにこれらの部分品及びさや

プラスチックや繊維製ならOKってこと? グリップパネルやレイルカバーやスリングくらいならいいの? ということが気になるが、第9305.99号が具体的にどういうものかについては、第93類 武器及び銃砲弾並びにこれらの部分品及び附属品で以下のように示されている。

  • 第9305.10号:けん銃のもの
  • 第93.03項の散弾銃又はライフルのもの:
    • 第9305.21号:散弾銃の銃身
    • 第9305.29号:その他のもの
  • その他のもの:
    • 第9305.91号:第93.01項の軍用の武器のもの
    • 第9305.99号:その他のもの

つまり、ハンドガン用の部品は作動に必要でないグリップパネルなども含めて第9305.10号に該当するから輸入には承認が必要となるし、散弾銃やライフルに使用する製品や軍用として造られたものは第9305.99号には含まれないため承認を要する。なお、銃用のケースは第42.02項、武器用の望遠照準器その他これに類する照準器は第90.13項に属する(アイアンサイトは第90.13項でなく第93.05項に属することに注意)。総説でも「武器とともに使用するのに適する望遠照準器その他の光学機器で、火器に装備したもの及び装備する火器とともに提示するものは武器とともにその所属を決定する。他方、単独で提示すれば当該光学機器は、この類には属しない(90類)」としていることから、ミリブロの事例が本物のホロサイトなら第90.13項で承認は不要なのではないかという気もするが、事前教示回答(品目分類) : 税関 Japan Customsではそれらしいものが検索できなかった。レプリカの場合、関税法第69条の11第1項第9号第10号の規定により商標が入っていたりするものは当然NGで、場合によっては形がそっくりなだけでも不正競争防止法の関係でアウトといわれるかもしれない。

承認を申請する資格については、機械類並びに武器及び銃砲弾並びにこれらの部分品及び附属品の輸入の承認についてで示されているが、ざっくりと「本物の銃を合法的に所持・製造・販売できる人・会社・組織」と理解してしまってもよいと思う。

  • 第93.01項:銃刀法第3条の4第1号から第4号の一に該当する者又はこれに準じる者。
  • 第93.02項:銃刀法第3条の4各号の一に該当する者又はこれに準じる者。
  • 第93.03項:武器等製造法第17条の規定による猟銃等製造事業者、武器等製造法第18条但し書きの許可を受けた者、武器等製造法第19条の規定による猟銃等販売事業者(武器等製造法の適用を受けない銃砲を業務のため輸入する場合は銃刀法第3条第1項第11号による届出等をした者)、国若しくは地方公共団体から輸入の委託を受けた者、銃刀法第4条第1項の規定による所持の許可を受けた者、前記以外の者であって銃刀法第3条第1項の規定により所持が認められている者又はこれらの者から輸入の委託を受けた者。
  • 第93.04項:
    1. 高圧ガス保安法の適用除外とされているエアゾール製品等:高圧ガス保安法第3条第1項第8号の適用除外に該当することを証する書類を有する者。
    2. 準空気銃(銃刀法第21条の3に規定するものをいう。):銃刀法第21条の3第1項の規定により所持が認められている者、国若しくは地方公共団体から輸入の委託を受けた者又はこれらの者から輸入の委託を受けた者。
    3. 1. 及び2. 以外のもの(ただし、高圧ガス保安法の規定の適用を受ける貨物を除く。):第93.01項及び第93.02項と同じ。
  • 第93.05項:
    1. 第93.01項に該当する貨物の部分品及び附属品:第93.01項の資格に該当する者又は武器等製造法第3条の規定による武器の製造事業の許可を受けた者若しくはその者から輸入の委託若しくは発注を受けた者。
    2. 第93.02項に該当する貨物の部分品及び附属品:第93.02項の資格に該当する者。
    3. 第93.03項に該当する貨物の部分品及び附属品:第93.03項の資格に該当する者。
    4. 第93.04項に該当する貨物の部分品及び附属品:第93.04項の資格に該当する者。

積戻しは許可されないのか

外国為替及び外国貿易法第48条第1項輸出貿易管理令第1条の規定による輸出許可の申請については、調べた範囲では輸入承認のような資格要件を定める規定は確認できず。許可を受ければ、関税法第75条の規定により積戻しは可能なはず。

MAGPUL PTS製品は第93類に属するのか

Magpul Industries Corp. が製造・販売する実銃用製品は当然第93類に属するが、Magpul (Asia) Limitedやライセンスを受けたメーカーが製造・販売するMAGPUL PTS製品は第95類(がん具、遊戯用具及び運動用具並びにこれらの部分品及び附属品)に属すると思われる。事前教示回答事例 登録番号110002591 がん具附属品(エアーガン附属品)では、アルミ製のトイガン用サイレンサーが第95.03項に属するとなっており、機能や形状、強度などが勘案されるものの、トイガン用として設計・製造された製品であれば第95類と考えてよいだろう。なお、実際の輸入にあたっては事前教示制度(品目分類関係)を利用することで輸入申告時に回答の内容が尊重されることになっているが、実際に輸入を行う予定がない場合には事前教示は利用できないため注意。

不服申立て

MAGPUL PTS製品が第93類と第95類のどちらに属するかを決定する処分については、関税法第8章の規定による異議申立てや審査請求が可能。明らかに第93類に属する貨物について、2の2号承認がないことを理由に輸入が許可されなかった場合についても不服申立て自体は可能であると思われるが、やるだけ無駄だろうし、実務上申立てを受理してもらえないかも。

そもそも「滅却同意書」って?

そういう書式が実在して、実際に使われていることは明らかなのだが、税関様式及び記載要領にはない。定まった書式がないためか、輸入商品税関で止まる、原産国証明を提出してくださいと・・・|中国13億人マーケットへ進出~!~中国人に売る時代!! に掲載されている滅却同意書はガンズロックス。ミリブロver:燃やされます~のものと文言が違う。

さらに興味深いのは、2007/12/05 (水) 「初めての税関没収。・その1」(個人輸入雑記)その2では「滅却同意書」「外国貨物滅却委任状」で処理されているのに、同じ方によるUSA-Plain'  「これで卒業、ですかの。」では「外国郵便物に係る輸入してはならない貨物該当通知書」となっていること。FedEx扱いの場合でも関税法第69条の11第3項関税法基本通達69の11-2に従って「輸入してはならない貨物該当通知書」で処理するべきなのではないかと思ったのだけれど、ここで気が付いた。

輸入申告が行われていないのかも

関税法基本通達69の11-1では、関税法第69条の11第3項の「この章に定めるところに従い輸入されようとする貨物」を「輸入申告された貨物又は郵便事業株式会社から提示された郵便物」としていて、「この章の規定の適用をいまだ受けていない保税貨物」の段階で運送事業者が処理する場合に使われているのが滅却同意書なのかもしれない。運送事業者が滅却(廃棄)承認申請書(税関様式C第3170号)を出すにあたって、輸入しようとした本人が滅却に同意していることを確認するだけなら書式が統一されている必要はないし、関税法の規定による税関長の処分ではないから、ガンズロックス。ミリブロver:燃やされます~に掲載されている滅却同意書の「本件の処理に関しましては以後異議の申し立ては致しません」という内容にも問題はない。郵便物の場合には律儀にというか馬鹿正直に処理しているので、当然法律や基本通達に従って手続きを求められると考えると納得できる。なお、価格が20万円を超える国際郵便物の通関手続の見直しについて : 税関 Japan Customsで説明されている通り、価格や課税価格が20万円を超える場合には輸出入の申告をして許可を受ける必要があるため、これに該当する郵便物の場合は滅却同意書のような(ある意味雑な)手順で処理されることもありうるかも?

そういうわけで

何が「そういうわけ」だか今一つ不明であるものの、以下の結論に達した。

  • 実銃用のアクセサリーの個人輸入には障壁が多い。
  • MAGPUL PTS等、トイガン用だけれど実銃にも付きそうなアイテムの輸入に際しては事前教示制度を活用すると余計な心配が不要になる。
  • 郵便物が輸入禁止に引っ掛かると律儀に処理されてしまう。
  • 税関や運送事業者や郵便事業株式会社の中の人がここを見てたら間違いがないかこっそり教えてくれるとうれしい。

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