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2011-07-25

IC-R6レビュー(その2)

IC-R6レビュー(その1)の続き。

スキャン・サーチ

AX400の最大の弱点がメモリースキャンの遅さだったことを考えると、もうIC-R6と比較しようなんて考えるのが間違い。8ch/秒、しかもちょっと周波数が離れるとさらに遅くなるのでメモリーは周波数順に、なんて恐ろしく手間のかかることをしなくてよくなったのは楽。でも、周波数順にメモリー登録できるようにExcelにまとめてある周波数をメモリーしていくのでIC-R6も周波数順に(笑)。しかしほんと一瞬で1周する……は言い過ぎにしても、メモリースキャン50ch/秒は並みの受信機のサーチより早いんですよね、IC-R6。

AX400というかマランツ製品のメモリースキャンは機能的にも使い勝手が悪かった。メモリースキャン時にスキップするチャンネルを設定するのではなく、「メモリースキャンメモリー」という、設定されているチャンネルだけスキャンする機能が用意されていて、これがめんどくさいのです。常時電波が出ているATISはスキャンしないように設定したい場合に、ATIS以外のチャンネル全部でセットモードに入って設定していかないといけないという。よく窓から投げ捨てずに使えたもんです。もちろんIC-R6はそんなことはなく、メモリースキャン時にスキップするSKIPと、VFO・プログラムスキャンを含めたすべてのスキャンでスキップするPSKIPVFOスキャン・プログラムスキャン時にスキップするPSKIPと、メモリースキャンを含めたすべてのスキャンでスキップするSKIPを設定できるようになっています。

VFOスキャン・プログラムスキャンも速い、20ch/秒のAX400に対してIC-R6は100ch/秒。ただ、ラジオライフ2011年4月号「今、買うべきハンディ機2011」で小林照彦氏が指摘しているUHFエアーバンドのプログラムスキャン時に設定した周波数ステップが無視されてしまう現象は気になります。しかも、12.5kHzステップになってしまっているのに12.5kHzステップでスキャンが止まるわけではないようで、もう何が何だか。でも速いので実用上差し支えありません。周波数ステップが変わるのではなくて、単にスキャンが遅くなる周波数範囲があるようです。VSCを有効にするとさらに遅くなるので、スケルチ周りの処理に問題があるのかもしれません。AX400にはあったサーチパスメモリー相当の機能がIC-R6にはなく、スキャン時に飛ばしたい周波数を通常のメモリーに入れてPSKIPを設定するというのはちょっともったいないなあという気分。AX400はAX400でATISのような常時電波の出ている周波数を通常のメモリーとサーチパスメモリー両方に登録と、かゆいところに手が届かない感じで、どっちもどっちではあります。IC-R5ではできなかったVFOスキャン・プログラムスキャン中のPSKIP登録はFUNC+V/M(SKIP)長押し、一応気を配ってメモリー末尾の1299CHから登録されていく親切仕様になりました。

この業界、メーカーや機種によって用語が違うのには困ってしまうのですが、AX400ではスキャン=メモリースキャン、サーチ=VFO・プログラムスキャンであるのに対して、IC-R6ではAX400でスキャンと呼んでいるものがメモリースキャン、サーチ=VFOスキャン・プログラムスキャンとなっています。AX400が販売されていたころのマランツのアマチュア機ではサーチという語は使われていなかったので、どうしてAX400は違うんだろうと不思議だったのを思い出します。

受信音

AFフィルターがある分IC-R6のほうが聞きやすいですが、AX400が悪いかというとそうでもないですね。なかなか便利なAFフィルターなのですが、これがAM・FM・WFMのモードごとに独立して設定されるのに気付かず「あれ? あんまり変化ないような?」なんて思ったりしました。

比較的評判の良いIC-R6でも内蔵スピーカーでは限界があると思い外部スピーカーをつないでみると、ダイソーで購入したCD-6263という100円スピーカーでは明らかに音量が小さくなります。内蔵スピーカーで同じ音量に聞こえるようにしたAX400とIC-R6に同じスピーカーをつなぐとIC-R6のほうが音が小さくなるのです。消費電力を抑えるために出力インピーダンスを低く設計しているのかもしれません……と思ったのですが、定格ではAX400が「スピーカーインピーダンス 8Ω」、IC-R6は「低周波負荷インピーダンス 内蔵SP 16Ω/外部SP 8Ω」となっていました。どうやら、IC-R6の売りの一つであるBTL(Bridged Transformer Less)回路が内蔵スピーカー出力の時だけ有効になっているらしく、低周波出力も「内蔵SP(16Ω10%歪率時)150mW以上」「外部SP(8Ω10%歪率時)80mW(typ.)」。単純に内蔵スピーカーの方が出力が大きく、音量も大きいということのようです。イヤホン使用時の消費電力を抑える意図の設計なのだと思いますが、ちょっと残念。

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2011-07-20

IC-R6レビュー(その1)

ヤフオクで購入3か月のIC-R6が出品されていたのを、余裕で落札してしまい入手しました。ウォッチリストのアラートが届いてすぐに別の人が入札して「これはきびしいなあ」なんて思いながらも、自動延長で終了時間が伸びると苦しくなるからと時計をにらみながら残り7分のところで入札。敵(とか失礼だろ)が自動入札を設定していなかったらしく、価格が跳ね上がることもなく送料と決済手数料を足してもかなり相場より安く手に入れることに成功。商品画像に写っていた保証書の販売店名で受信改造済みと踏んで確認しなかったのも正解で、いろいろと運が良かった。

広帯域受信機は日本マランツの名機AX400を長いこと使っているので、主にAX400 vs. IC-R6のような感じで。

外観

IC-R6はどうにも高級感がなく、って高級機ではないのですが、テンキー付きで結構な値段だったAX400のほうが安っぽくないですね。もうちょっと樹脂の色を考えるとましだったのではないかと思います。AX400はキートップの文字がだんだん消えていくという持病もちですが、IC-R6のキーはどうでしょうか。FUNCキーと同時押しの操作はキートップではなく筐体側に書かれているAX400と違って、IC-R6のキーから文字が消えるとかなり扱いにくくなりそうです。

正面から見て左側にキーが並んでいるAX400と、PWR(電源)キーが右にあるIC-R6、2台並べるときには電源を入れやすいようにIC-R6を右にするといい感じです。

LCDディスプレイはIC-R6のほうが見やすい。表示そのものもIC-R6のほうがよいのですが、AX400は筐体の表示部分のRがIC-R6よりもきつくていろいろ映り込みやすいのも難点。IC-R6側の欠点は、12.5kHz以下のステップの下2桁表示が小さすぎること。SETモードでディスプレイのコントラストが調整できるのですが、大雑把に変化するので好みに応じてというよりどうしても斜め上から見ないといけない場合に合わせてといった機能のようです。

各所で指摘されているイヤホンジャックのゴムキャップ、あっという間になくしてしまいそうです。ゴムキャップなしだとコネクタに力がかかって壊してしまう可能性も高くなりそうで、どうしてこうなった。ゴムキャップがある分BNCコネクタよりも長いアンテナや太い同軸ケーブルをつないだときの安心感はあります。

操作性

AX400はテンキー付きでも全体でキーの数が13に抑えられているうえテンキーの長押しという操作がないため、たいていの操作を側面のFUNCを押しながらしなければならず意外と扱いにくいのですが、IC-R6は少ない数のキーを短く押すか、長く押すか、FUNCと同時に押すかでうまく機能を割り振っているため、使い勝手は明らかにIC-R6が優れています。でもFUNC+TSでDIALと▲/▼の機能を入れ替えるというのはセットモードに入れて別の機能の方が便利なのではないかなあ。AX400のマイキー(FUNC+4)のように好きな機能を割り当てられるとよかったかもしれません。

メモリーの内容を編集したいときに、たとえばATTのオン・オフを切り替えようとするだけなのに一度V/Mキーを長押ししてVFOに移り、設定を変えて再度V/Mキーを長押しして書き込む操作を要求されるのは、AX400より多機能のIC-R6ゆえの悩みという部分もあるのですが、正直どうにかならないものかと。

BANDの概念があるIC-R6はバンドを切り替えることで楽ができる部分があって、テンキーなしでも周波数の入力や変更は思ったほど不便ではないです。編集ソフトとケーブルを買わないといけないかと思っていましたが、周波数だけでなくバンク編集などにも便利だろうけれどなくてもやっていけるかなと。

IC-R6がAX400と比較して明らかに使いにくいのはSETモードで、DIALを回しても最後の項目から最初の項目にループしてくれないのは困ります。

以下次号

スキャンの使い勝手と音の良しあしについてのレビューを予定。受信性能については、アナログテレビ放送が停波して条件がよくなってから追及する方向でひとつ。ようは両者とも得手不得手はあるし悪くはないものの、余計な周波数でテレビの音が聞こえたりはするということです。

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